というわけで、全景を見た後は、コースに従って歩きました。
駐車場から横断歩道を渡ったところが入口です。


入ってすぐから、もう手掘り跡が見えるトンネル。


これは、今渡った横断歩道の下をくぐるような形のトンネルで、すぐに一旦外に出ました。

その先に「禅海てぼりの洞門入口」の案内がありました。


駐車場から見るとトンネルの出口にこの案内があるのですごくわかりにくいのですが、先程階段を下りたところからの岩肌が見える部分が禅海和尚の時代からの洞門だったようです。
看板から看板までのこの区間です。

地上に出ると、道はこんな感じ。


一応、車が通れる幅はあり、一方通行ですが車の通行がありました。
おお、ここにも鎖渡しの跡のようなものが見えますね。

途中、下に向かう道がありまして、そこが手掘りが残っている場所でした。



このトンネルの中には、明かり取り窓や仏様、岩を砕いている様子の像もありました。



すごいなぁ、こんな掘り方で、よくもまぁトンネルが開通したものです。掘ると言うか、穿つと言うか、実際は、石を砕いていたわけですからね。
昔の明かり取り窓以外にも外光が入るから思っていたより明るいのですが、昔は延々と続く細長いトンネルだったことを思うと、真っ暗だったんでしょう。
しばらく、この窓の近くに立って、ぼんやりと外を見たりしていました。この窓は、掘り進む都度、開けたんでしょうけど、外の景色を見て、作業の進捗もわかったのかなぁ。


それにしても、外の明かりはこの洞窟の中にいるとすごくまぶしかっただろうと思いました。逆に、真っ暗で何も見えない箇所ができるし。
「あの角のついてゐる所が掘りちがひをした所であります」と案内があり、多分この辺だろうと思ったけど、よくわかりませんでした。


トンネル自体の距離は思っていたよりも短くて、駐車場から10分程度で通り抜けられました。
開通した後に通る私達は、本当に簡単に通り抜けるけど、この距離を30年かかって掘った人がいたからできることなのよねぇ。最初にのみを叩いたときのことを想像すると、言葉を失います。一念岩をも通す
通り抜けたところを振り返るとこんな感じ。


この感じからすると、昔は、観光客はこちら側から入っていったのかな、と思いました。
この出口の脇に、禅海和尚顕彰碑がありました。



裏側の撰文(足下が悪く全体を撮れなかった)。


裏側には禅海和尚の功績が書かれたものと、顕彰碑を建てるに至った経緯が書かれていました。
全文が撮れなかったので要約しますと「禅海和尚は越後出身の僧。この付近はくさりど(鎖渡)の道だったため人馬が傷つくことが多かったので、和尚はここに洞門を通そうとされた。最初村人は賛同しなかったので、和尚は一人で鑿と槌を手に取り掘り始めた。念力堅固な和尚の槌の音は日に月に冴えて響いた。やがて和尚の不動心は村人の心に染みわたり、嘲笑っていた村人も力を合わせて洞門堀りに努めた結果、30年で開通した。」というようなことが書かれています。
顕彰碑を建てた経緯については、「禅海和尚の事績が国定読本に採用されたのを機に、業績を後世に伝えるために建てた」とありました。大正14年5月に竣工したようです。表面に「伯爵 奥平昌恭 書」とある「奥平昌恭」とは誰かと思いましたが、「中津藩主奥平昌恭伯」に書いてもらったとありました。大正14年なら、当たり前のことながら既に中津藩はありませんが、世が世なら中津藩主となっている人に書をお願いしたようです。裏面の撰文は文部省編集嘱託員の□□友次郎、書は国定読本の筆者井上千圃に書いてもらったようです。
脇にあった小さい石碑は、恐らくこの石碑を建てるために寄付してくれた人の芳名録。

普通は石碑の裏面とか台座に芳名録って書かれてますけどね。
本体の方にいろいろと偉い人の名前を刻まないといけないので、別の石になったのかな。
顕彰碑のチェックをした後、同じ道を通って帰りました。




さらにその後、近くをうろうろした後、夕方に競秀峰の対岸を少し歩きました。
対岸からだと、明かり取り窓がよく見えました。


レストハウス洞門にあった説明板。

福沢諭吉が、一帯の土地が売りに出されていることを知って、景観を荒らされることを恐れてまとめて購入したということが書かれています。
この人がいなかったら、青の洞門は残っていなかったかもしれないですね。
それから、競秀峰の対岸は一面がネモフィラ畑になっているみたいです。




商工会とか道の駅とか、地元でエリア毎に畑が決まっているみたいで、皆で作っているようです。盛りの時期はきっときれいでしょうねぇ。
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