でも午前中の割と早い時間に晴れたのでホッとしました。寒すぎる日が続くのは本当にこたえるので。
さて。昨日の続きです。
豊田佐助邸は、ぱっと見、想像とはちょっと違って洋館でした。

庭も日本庭園の豪華なのを想像していたので、思ってたのとちょっと違うなぁ、と思いました。

建物の中に入るとボランティアの人がいろいろと声をかけてくれたのですが、案内は断って自由に見て回りました。
普通の家に見えるけど、と思いつつ、最初に気になったのはこちら。


天井の隅に見えた換気口なのですが、なぜ、鶴のデザイン?と思いました。
その後に、これを見て、トヨタに関係するデザインなんだなと思いました。

そしたらね、別のところに解説がありました。

「とよだ」を鶴と亀の意匠にしたものなのだそうです(鶴が目立つけど確かに亀も描かれている)。
このデザインは、他にも2階の襖の模様になっていたり引き手になっていました。


一階の洋間から外を見ると、おや、日本家屋じゃん、という様子でした。入口は洋館なのに。

疑問に思ったので、帰り際に外から見てみたら、玄関側は洋館ですがその隣に日本家屋があるという外観でした。

一見すると別の建物に見えるのですが、一つの建物です。
でも、実際には2つの異なる建物を近接して建ててある(継ぎ足した)のかなぁ(私の実家も後で建設した離れは母屋にくっつく感じで造ってあり扉を開けるだけで行き来できる)という気がします。パンフレットをよく見ると、洋館と和館の建設年が違うようなので、まぁそういうことかな。
パンフレットの平面図を見るとよくわかるのですが、外観は洋館になっている方の建物でも2階は和室のみなので、中を見ると全体が普通の日本家屋という感じでした。
洋館の1階。


この廊下の先で日本家屋につながっています。
洋館部分の写真は振り返ってみたら全然撮ってませんでした。ボランティアの人がいろいろと声をかけてくるので、早々にその場を離れたかったからかと思います。
こちらが、和館の1階。




和館の2階。

天井に扇風機が設置されてる感じが、昔過ぎない昔という感じ(昭和感)があっていいですね。ここで暮らしてたんだなぁという雰囲気も良く出てますし。

よく見ると、日立製のようです(HITACHIの文字が見える)。

洋館の2階。


廊下は洋風なのに、部屋は和室。

1階のお客さんがたくさん出入りするところは洋風に作ってあるのに、自分達のプライベート空間は畳の部屋にしているということですね。結局、畳の部屋の方が寛げたんだろうなぁ。
廊下から見える庭。


階段を上がり切ったところにある、壁(連子窓みたいなもの。写真の←の部分)は、うまく写真が撮れませんでしたが、スライド式になっていて明かりを入れたり締めたりできる仕組みでした。


気づいたのはここだけでしたが、家の細かいところにいろんな工夫がなされているのかもしれませんね。
そう言えば、廊下に面する部屋の戸は基本的に障子かガラスがはめ込まれた戸なので(うちの実家もそうですけど)、外からの明かりを取り込む工夫がなされているんだと思います。
洋館も和館も1階部分は相対的に2階よりも豪華な感じ。1階は来客用というか、ご自身の実業家(外の顔)としての空間なので、ご自身の好みよりもその社会的な地位に合わせた設えになっているんだろうと思います。
たまたま仕事柄お付き合いのある旧家のご主人を訪ねたことがあるのですが、私達は玄関近くの洋間に通されました。同行してくれた職員の話によりますと、エライ人が訪ねた場合は奥の和室に通されるということでしたので、こちらの豊田佐助さんのお宅もそのようにご自宅をお使いになっていたのではないかと思います。
2階は多分、全体がプライベート空間(家族が過ごす場所)なんだろうと思いますが(そう思うと、決して広いご自宅ではないよね)、ベースは実直、そこに機能を追加し、意匠で好みを載せてあるという感じがします。
建物全体としては決して派手な感じがないことに驚きました(時代的なものがあるかもしれませんが)。
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・旧豊田佐助邸 その1 (2023/01/28)
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