電気代なら上がっていても納得ですが、こんなに高くなっているとは。衝撃でした。
さて。
豊田佐助邸に行った後は、川上貞奴邸に行きました。

この建物は旧川上貞奴邸となっていますが、元々は福沢桃介が木曽川にダムをがんがん建設していた頃の拠点として使っていた建物であり、桃介と貞奴、二人の家です。
今回、このエリアに行くことにしたのは、かねてよりこの貞奴邸と名古屋市政資料館の2か所に行きたいなぁと思っていたからです。前にも書いたとおり、地下鉄の駅からちょっと遠いこともあり、ついでにちょっと立ち寄るという場所ではないのです。
昔、この建物の保存を巡って議論があったような気がするのですが(多分、新聞記事くらいは読んだと思う)、ちょっと詳しい記憶なしです。ただ、現在の建物は、元々名古屋市東区東二葉町(現白壁3丁目)にあったものを、名古屋市が寄付を受けて移転・復元したそうなので、議論の結果、そういうことになったようですね。
というわけで、豊田佐助邸からちょっと歩いて到着。


どうですか、「フツーの家ではない」というのがすぐにわかりますね。
屋根の色が映えるというのもありますけど、童話の世界の建物のようです。


この部分なんかは、ムーミンの家みたいでかわいいです(背は低いけど)。

この建物は入館が有料なので、入口で入館料を払って入ります。




名古屋観光ルートバス・メーグルの利用者には割引があります(バス停も目の前にある)。
中に入るとすぐに大広間があって、うわぁぁぁぁぁ、きれいぃぃぃぃ。(*´▽`*)






あまりの美しさに圧倒されっぱなしでした。特に、正面に見えたステンドグラスの華やかさと言ったら。
この建物は桃介と貞奴の家であったとともに、政財界の方々を招いて交流するための役割を担っていたものですけれども、ここにお客としてやって来た人は、まず、真正面にこのステンドグラスの窓が目に入るので、華やかさに圧倒されたんじゃないでしょうか。

こんなところに住む方々は特別な世界の住人だと思うんじゃないでしょうか(そういう視覚効果も狙っていると思う)。
以前、何で読んだのか覚えがないのですが、「この建物は桃介が貞奴と暮らすために造ったものなので、貞奴(女性)の好みに合うように造られており、華やかな装飾が施されている」というような文章を読んだ覚えがあります。
このホールを見て「おお、なるほど」と私は最初思ったのですが、冷静に考えると、ここはパブリックスペースなので、そこはちょっと違うのかも。
そりゃま、『春の波涛』に出てきたような甘々な桃介なら「貞さんのために造ったんだよ」と言ってもおかしくない気はしますけど、実業家がダム建設の拠点として造ったもので、しかも場所が名古屋ということであれば、元々、仕事をスムーズに進めるために名古屋の経済界と交流する目的で使う気は満々だったんじゃないですかね。
ああ、でも、貞奴は桃介の単なる愛人ではなく仕事上でもパートナーだったんだから、仕事で使うスペースであっても桃介のみのためのものではなく、貞奴もともに使う場所なのよねぇ。そういう意味では、華やかな貞奴に合わせたということはあるかも。
──というわけで、正解はわかりませんけど、でも、この邸宅に一歩足を踏み込んだ人が、上に書いたとおり感動したことは間違いないでしょうね。まだ電気の普及していない頃に、電力を生産することの重要性を説くことも桃介の仕事のうちだったでしょうから、少なくともこのサロンには、電気が今後の生活を変えるということを来客に直感的にわからせるという意図もあったんだろうなぁと思います。だから明かり取りのための窓は必要なくて、ステンドグラスの窓を設置したのかな。
実際、この建物では当時はまだ珍しかった電力がふんだんに使われていたらしく、1階の廊下の奥には自家発電の配電盤もあります。



その場所の外には蔵が見えました。

その他の1階の部屋は、今は展示室になっていました。
パンフの図面によりますと、玄関ホールと大広間以外は、基本的には生活空間(プライベート空間)だったみたいですね。

大広間から続く展示室1は元は旧食堂とのこと。
この部屋にも窓にステンドグラスがあって、とてもかわいらしいです。

あまり広くない部屋ですが、基本的には桃介と貞奴が二人で食事を取るための部屋と考えれば、十分な広さがあると思います。
その部屋の展示物。


その他の一階の展示室。


今は居住当時の使い方がされていないので、実際にはどんな風に使われていたのかよくわかりません。残念。
また長く書いてしまったので、今日はここまでにして続きはまた明日書きます。
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